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ブロードバンド×2回線のLAN (その1)ブックマークに追加する

今年(2004年)1月の話になる。 ある知人からこんな事を頼まれた。 「家にインターネットを導入したいので作業をお願いできないだろうか。」

私はおやすいご用と答えた後で、回線はどこのを使うか、またスピードは、等と色々な質問をしていった。 しかし色々聞いていくうちに、これは余計なことに首を突っ込んだなと思うようになった。

彼の要望は若干普通のインターネット接続をしたいという要求とは違っていたのだ。

要約すると

  • 建家が2つある為、両方にインターネットの出口が欲しい
  • 建家は両方とも2階建て、部屋数はトータル30室程度
  • 片方の建家にはそれぞれ15人くらいの人間がおり、全員で使いたい
  • いつでもどこでも誰でもPCをつなげばすぐ使えるようにして欲しい
  • 両建家をまたがってファイル共有したい
  • 全員分のメールアカウントが欲しい
  • 人数が多いので全員にウイルス対策をして欲しい
  • 以上のことを満たし、一時、月額費用共出来るだけ安価にして欲しい
  • とにかく金がない。 金がないんだ。 金はあまり出せない。 etc...

コラ。(怒)




無茶言うな。 とりあえず全て実現可能なことではあるけれども、最後の要求だけは飲めそうもない。 いったい初期投資の予算はいくらあるのかと訪ねると、10万程度だという。

「…それならなんとかなるか。」

乗りかかった船。 そうして機器の選定及び見積もり、ネットワーク構成の検討を始めたのだった。

まずは要求分析と大まかな必要機器の洗い出し。

2つの建家にそれぞれインターネットの出口が欲しいということなので、とりあえずセグメントを2つ用意した方が良さそうだ。 それから両建家をまたがったファイル共有がしたいということなので、2セグメント間を繋ぐローカルルーターも必要になってくる。

接続するPCの数もそれなりに多いのでポート数が多めのハブをいくつか用意して、全員が接続しやすい位置に配置する必要があるだろう。

月額料金も安くという事なので、人数が多いが普通のADSLで我慢してもらうしかないだろう。 とはいえ、通常のインターネット接続サービスでは全員分のメールアドレスを用意するとなると月額費用がかなりな額になりそうだ。 とりあえずドメインを取得して、安価なメールサーバーのホスティングを探した方が現実的かもしれない。

いつでもどこでも誰でもの部分には、今回ブロードバンドルーターがいくつか必要になるだろうし、その中にDHCPサーバーが内蔵されているだろうから、それを流用すればいいだろう。

当然メールを全員に使わせるとなると、本来は全PCにアンチウイルスソフトを入れて欲しいところだが、今回の話ではとてもそんな予算はない。 個人個人に購入を促しても、無視される可能性もある。 ゲートウェイ、つまりインターネットの出口の部分でウイルス対策した方が、「とりあえず」全員を保護できるし、トータル的には安価になるだろう。

大凡この程度考えてから引き続き「とにかく安価にかつ全要求を満たす」を念頭に以下の製品群及びサービスををチョイスした。

製品/サービス名数量主な用途
Yahoo!BB 26M ADSL2インターネット回線
Gatelock X2002インターネット接続用ルーター
BBR-4MG1A棟LAN用ローカルルーター
OPT901B棟LAN用ローカルルーター
8ポートハブ4PC接続用ハブ
UTPケーブル200m
UTPコネクタ100
UTP圧着工具1UTPケーブル作成用

以上だ。 簡単にそれぞれの用途を書いてみたいと思う。

Yahoo!BB 26M ADSL

申し訳ないが、その頃私はYahoo!BBに対し若干の偏見があった。 この話が来た頃、同社は街頭で、モデム無料+3ヶ月無料という大看板をひっさげて、どこぞの宗教団体を彷彿とするような布教?活動を盛んに行っていた。 そのイメージと方々から噂として聞こえてくる悪評が否応なしに偏見を誘っていたのだ。

なのにこのチョイス。 要は単純に値段に負けたのである。 2回線必要というのも大きな理由となった。

あまり皆さんのイメージを悪くしてもアレなので、一応フォローすると、結果的には心配しているような問題は発生しなかった。 工事直後、接続リンクしないちうトラブルに見舞われたが、夜遅くにもかかわらず電話で対応してくれるなど、とても良い印象を持ったことを付け加えておこう。

Gatelock X200

トレンドマイクロ社製のブロードバンドルーターだ。 今久しぶりにサイトを覗いてみたところ、残念ながら本製品の販売は終了してしまったようである。 やはりターゲットが微妙であまり売れなかったのか…

これはどういう効能があるのかというと、主なところでステートフルパケットフィルタリングに対応したファイアウオール機能。 不正侵入検知機能(IDS)。 そして最大の特色である、アンチウイルスゲートウェイ機能。 そしてこれらの状態を最新に保つインターネット経由の自動更新といった機能等々だ。 企業などで導入される事が多いこの機能をご家庭に。 大変素晴らしいコンセプトだったのだが、本当に惜しまれる。 今回は「人数が多いのでウイルスを蔓延しづらくして欲しい」という要求を満足するために導入と相成った。 外部からのウイルスを内部のLANに入り込む水際で押さえるためだ。

ちなみにFlet's ADSLのフレッツセーフティもこのルーターをOEM製品として(かな?)使用している。 こちらでも良かったのだが、接続して良いユーザー数が最大で5台なんて制限が付いてしまっているので、今回のチョイスからは必然的に外れてしまったのだ。 トレンドマイクロの方はそんな制限はない。(多くなれば多くなるほどネットが重くなるけど)

2回線という事で2台導入する事にした。

BBR-4MG

この製品はバッファロー(旧メルコ)製のブロードバンドルーターである。

上で説明したGatelockもブロードバンドルーターであるのに何故これ以上必要になるのか。 それは今回このブロードバンドルーターをローカルルータとして利用しようと考えたからだ。

今回の作業の中でこの部分が一番悩ましかった。 ローカルルーター用として販売されている製品は、通常企業などある程度の規模をもった場所で利用される。 個人で使用することはあまり無いのではないだろうか。

従って価格も個人向けではないものが多い。 正直言って今回の予算ではローカルルーター1台すら買えないかもしれないと思った。

小型のPCとLinux等を使いルーターを仕立ててしまう方法もあるが、こちらでも最低数万円はしてしまう。 他にも様々な理由で今回のケースにはこの方法はそぐわないと思った。

そこで思いついたのがブロードバンドルーターの利用。

最近のブロードバンドルーターの仕様をサイト上で調べると、意外と「ローカルルーター機能」という文字を見つけることができる。 私も過去にブロードバンドルーターを使いルーティングを一部変更するなどの作業を自宅でやっていたこともあったのもあり思いついたのである。

なぜなら「ブロードバンドルーターはとにかく安い」からである。(笑) 今回選定したバッファローの製品は当時でも3千円程度で入手可能だった。 しかも仕様を見てもローカルルーター機能は搭載しているとのこと。

またスループットを見ても80メガ程度出るとのことで、例えそこがローカルネットワークであっても相手が100Baseであればほぼ問題は無いレベルになると考えた。

これだけ条件が揃っていれば何も悩むことはないと思われるかもしれない。 しかし私には一抹の不安があった。 それはこの製品はあくまでブロードバンドルーターだということ。 1セグメント内のルーティングならまだしも、2つのローカルセグメントを分ける事など優先して考えて作られているはずがないと思ったからだ。

仕様を見ても対応しているとは書いているが、詳細までは触れていない。 とはいえ金額面で選択の余地はない。(泣)

最終的にはこうなった。 「えーい出たとこ勝負だ!」(笑)

OPT90

当初これは導入する予定ではなかった。 後述するが、あるトラブルが発生し、やむなく別の知人から安く譲ってもらったのだ。(苦笑)

この製品も上で説明したBBR-4MG同様、ブロードバンドルーターである。 マイクロリサーチ(旧マイクロ総合研究所)製のものだ。 最終的にはこちらをローカルルーターとして使用することになってしまった。(苦笑) 詳細は後述するが、やはり上に書いた心配が一部的中してしまったのだ。 また他にも問題が発生してしまってやむなく導入に至ったのである。

モデムの時代からこちらのメーカーの製品には定評があり、OPT90に関しても発売当時にしてはかなり高機能な部類に入るものだった。 スループットも80メガ程度と申し分ない。

8ポートハブ

今回はIO DATA製の8ポートハブを4台選択した。 100base-TXのスイッチングハブである。 型番は失念。

無線LANという声もあったのだが、今回は予算の都合で却下した。(笑) 必要になったら後で増設する形で導入しなさいということで。

UTPケーブル及びコネクタ

一般的な大手電気店で売っているようなコネクタ付きのケーブルはやはりコストがかかる。 というわけで今回は200メートルのケーブルとコネクタをそれぞれ用意し、必要な長さを自分で切り分け自作する方法とした。

この方が長さも自分の思い通りにできるし、今回のように沢山必要な場合には安くあがる。

ケーブルの圧着工具も一緒に買ったが、テスターは今回購入しなかった。 必要であれば私の職場から借りればいいと考えたのだ。 テスターは安物であれば大した額ではないのだが、今回はとことんケチっていかないとすぐに足が出そうだったのだ。(苦笑)

機器の購入

機器の選定が終わったところで、作業依頼元の彼にこれらの機器を発注するように言った。

概算見積もりの段階ではトータルで10万以内に収まる計算になっていた。 GateLockが意外と高価(2台で5万円)で泣かされたが、この部分はセキュリティを考慮するとどうしても最後まで外せなかった。

またOPTは最初の見積もりには入っていなかったが、安く譲ってもらえたのでどうにか収まり、今回は命拾いした形になる。

1ヶ月もすると全ての機器も揃い、いよいよ構築作業に移ることになる。

長くなりそうなので、構築作業の詳細は次回にご紹介しよう。


投稿日 : 2004年7月16日

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