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第2章 ハードウェアの選定 ブックマークに追加する

まずは前提となるハードウェア仕様、つまり使用したハードウェアの紹介からしたいと思う。

実はFedora Core2を最初にインストールしたのは現サーバーではなく、先代のSUMICOMからだった。 SUMICOMと言ってピンと来た人は通な人かもしれない。 知る人ぞ知る?King Young Technology Co., Ltd.発、Socket370の超小型PCである。

本題とは関係ないのでSUMICOMについてこれ以上言及しないが、私はこのPCにRedhatを入れ、約2年間サーバーとして運用してきた。 そして今年5月末にはFedora Core2をインストールした。(アップグレードではなく新規に入れ直し)

しかしさすがに2年間連続稼働してきたSUMICOMはそろそろ限界かと、新たに6月上旬に新調したハードウェア。 それが今回ご紹介するSoltek IQ3601である。 ちなみに国内ではオウルテックが販売代理店となっているらしい。

Fedora Core2とのマッチングも良いと思う。 先代からの移設なので普通のインストール作業は行っていない(この辺の話は別途レポートする予定)が、現状全て正常に動作している様に見えるので恐らく問題ないのではないだろうか。

というわけで、今回は本機に対するインストール作業の話は省略し、このハードウェアの仕様及び自宅サーバーとしての使用感などをレポートしたいと思う。




この製品はM/B及びCPU搭載済みのベアボーンである。 基本的なスペックは上記リンクを見て頂くとわかると思うが、私のPCのそれを抜粋すると

MotherVIA SL-B6A-F1000
ChipsetVIA CLE266 + VT8235 CD
CPUVIA C3 EBGA 1GMHz Onboard
MemoryDDR DIMM 512MB
HDDSeagate Barracuda 80GB
LAN10/100 Onboard
SCSITekram DC-390U (PCI)
OtherFDD, CD-R, DAT(DDS-4)

といった感じになっている。

ちなみにこのベアボーンに切り替えた動機は先代の老朽化以外にもあった。

  • SUMICOMの2.5inchHDDでは心許ない。 大容量の3.5inchにしたい。
  • DATによるバックアップをRemote(Agent)ではなく単独で行いたい。
  • 上記の条件を備え、かつできるだけ省スペース、省電力、低発熱、低騒音にしたい。

といったところだろうか。

この文章を書くに至るまでの間、既に1ヶ月間経過しているが、その間記録したデータや体感的な事を元に、上記要望が満たされているか改めて検証してみたいと思う。

HDD大容量化及びSCSI+DATの実装

まずHDDの大容量化、SCSI及びDATの実装は当然問題なく実現した。 この作業内容に関しては別途レポートしたいと思うので今回は省略する。

省スペース

SUMICOMと比較してしまえば全くの論外となるが、それでもなんとか省スペースの部類と言えなくもない。 しかし机上に載せる気になるかといったら、それは「奥行きが長く、やっぱり邪魔だしやめておこうかな」程度の大きさである。(ニュアンスが伝わるかな) ちなみに私はデスクの下に置いた。

発熱

これはグラフを見てもらった方がわかりやすいと思うので以下に示そう。 ちなみにCPU及びM/Bのデータ採取はsensorsで、HDDはS.M.A.R.T情報から採取した。

このグラフは2004年7月6日の各デバイスの温度変化である。 ネット上の情報によると、この日は日中の外気温度で35度という真夏日だった。 またサーバーの設置されている部屋は締め切りの状態だったので、恐らく室温は少なくとも35度以上になっていたと予想している。 (なんちゅー劣悪環境だ。)

各線の凡例はグラフ最下位を見て頂きたい。 まずCPU。 正直VIA C3の数値とは思えない値という印象を持った。(苦笑) 夕方6時の時点で56.25℃をたたき出している! およそ室内温度+20℃といったところだろうか。

ちょっと不安を感じたので、念のためVIA C3 Nehemiah coreのデータシート(注:VIAサイト内zipファイル直リンクです。中身はPDF。)を確認してみたのだが、EBGAの場合Operating Case TemperatureがMAX85℃となっているので、とりあえず許容範囲内ではあるのかと。 とはいえお世辞にも良い状態とは言えないので、今後なんらかの対策が必要だろう。

またこのC3、CPUに負荷がかかると一瞬のうちに温度が70℃オーバー(場合によっては80℃に近い値)を記録する! 他のサイトさんでも書かれている事だが、例えばCPUが100%をキープするような処理を始めると、始めたと同時に70℃以上となる。 そして処理が続いている間CPUはその温度をキープし続け、同時にM/Bの温度が徐々に上昇。 そして処理が終わると同時くらいにCPUの温度は平常値に戻り、M/Bは徐々に下がるといったサイクルだ。(実は上のグラフを描画するジョブが動いただけでも温度に著しい変化が起こる。 そのままでは常に高温の意味のないグラフになってしまうため、ちょっと細工をして平常時の温度を記録するようにした。)

こちらの温度も一応規定値内の事なので問題ないということなのかもしれないが、正直精神衛生上よろしくない。 特に夏場の不安は増すばかりだ。 測定している箇所によっても変動する要素だと思うのでなんとも言えないのだが…

私個人の所感だが、上記の状態を見るとVIA C3 EBGA 1GMHzは、少なくとも私の要求するものから若干外れている気がする。 やはりもう少しランクを下げたC3 800MHzあたりが妥当なのかもしれない。 かといって、このベアボーンはCPUがオンボードなのでCPU換装は不可。 これから導入を考えている方はこの辺のことも良く検討された方がいいだろう。

続いてHDD。 こちらも最高で50℃という高温を記録した!

やはり怖いので(苦笑)こちらもSeagate Barracuda 7200のデータシート(こちらはPDF)を確認してみると、動作時で60℃、非動作時で70℃とある。 こちらも辛うじて許容範囲ではあるが微妙なところだ。 触感でも「ちょっとだけ怖い熱さ」という印象である。 あちこちで言われているとおり、「Seagate Barracudaは熱いが壊れない」という「熱い」の部分はとりあえず本当らしい。

というわけで熱に関して言うと、このHDDはサーバー用途では「どーだろーなーびみょーだなー」といったところだろうか。

とはいえ劣悪環境で稼働させている私も私だというのは言うまでもない。(^^;)

騒音

こちらも先代SUMICOMと比較するのは酷な話だが、やはり以前と比べるとうるさいという感は否めない。 とはいえ1メートル程度離れた場所で夜普通に眠れる程度なので、十分静かだと言えるだろう。 SUMICOMが静かすぎたのだ。(勿論静音対策をした上の話だが)

ちなみに騒音として気になる最大の部位は電源のファン。 「フォー」音である。 CPUのファンは電源のそれにかき消されているのかしれないがそれほど気にならない。 そのうちAC電源化を考えているが、現状で探す限り100W程度のものしかないので、とりあえずペンディングとなっている。 正確な全体の消費電力算出したわけではないので分からないが、ざっと考えても100Wで安定動作は厳しいのではないかと思う。 今後もしそれ以上の製品を見つけ、導入できる機会が訪れたらレポートしたい。

HDDに関してはとても秀逸である。 上のファンにかき消されている可能性もあるが、殆ど無音に近い!(耳を近づければ多少聞こえるレベル。) 噂ではSeagate Barracudaの静粛性を耳にしていたが、ここまで静かだとは思わなかった。 これで発熱の問題が無ければ自宅サーバーとしてはベストチョイスだと言い切れたのかもしれない。

その他所感

ついでなのでその他気がついたことも書いておこう。

まずメモリだが、とりあえず今回は512MByte×1枚としてみた。 IQ3601はソケットとしては2枚差し可能ではあるが、Linuxサーバーであるし512もあれば十分だろうという考えだ。

実際GUI(X起動時)の場合はメモリの使用量が100%近くなることはあるが、スワップアウトすることはまずない。 またサーバー用途なので私はCUIで使用しているが、こちらの場合は通常50%程度で当初落ち着き、徐々に上昇するものの、スワップアウトすることは更にないだろう。 とはいえ起動しているデーモンの種類や数にもよるので一概には言えないが。

まぁIQ3601に搭載されたマザーの場合、最大で2GByteまで対応するので、必要に応じて増設すれば良い。(但しこの場合は1G二枚差し)

それから標準で搭載されているVIAマザーについて。 正直私はVIAマザーに若干不信感があるのだが、今回は今のところ問題は出ていないので、とりあえずその偏見は解消された。 この製品に関しては今のところお気に入りだ。 ただ前述したとおりCPUが換装不能なので、その点が難点かもしれない。 ちなみにBIOSはAWARD。 導入当初はファームが初版のものだったため、Soltekサイトから最新版BIOSを落としファームアップした。

鏡面仕上げのフロントパネルは、見た目は大変良い。 内蔵ベイへアクセスするために開閉する扉も、中身のドライブを隠すのに最適な方法だと思う。 が、この点については若干問題があった。

CD-Rドライブに関しては、ケースに用意されたボタンでなんら問題なく開閉することができるのだが、前述したDATドライブに関しては、ケース側ボタンとDAT側ボタンがかみ合わない。 かすりもしない。 というわけでテープをイジェクトする場合、ハード側では行うことができなく、ソフト側で対応する必要がある。

また、ケースの扉に開閉するための「つまみ」が無いため、手で開ける際に難儀する。 CD-Rドライブの場合はイジェクトすると、CDトレイがケースの扉を押し開けてくれる為問題ないのだが、DATはイジェクトの際、ケースの扉を押し開けるほどテープが出てくれないため、扉を手でこじ開けなければならない。 仕方ないので扉の隙間に爪を入れて、そーっと開けているのだが、別途テープなどで簡易なつまみを用意した方がいいだろう。(未実施)

しかしこのサイズのケースで5インチドライブが2つ取り付けられるのは少ないので、上の問題程度は楽に帳消しされるくらいだと思う。

またケースの中はさすがにフルセットに近い状態になっているため、かなりスペースに余裕がない状態だ。 これも高温になる大きな原因であることは間違いないだろう。 ケースが小さい分、熱がこもりやすい上に重装備。 仕方ないことなのかもしれない。

総合評価

機能的なニーズはほぼ満たされた。 また静粛性についても問題ないレベル、熱も外部環境さえ改善されれば問題はないだろう。

しかし今回のようにサーバーで24時間稼働させるとなると、やはり熱対策をどうするかあれこれ考える必要があると思う。 私も今後の課題として取り組むであろうし、また何か改善する事ができたならレポートするつもりだ。 どなたか良い方法を知っているなら教えて頂けると尚助かる。

今回はFedora Core2とはあまり関係がなかったかもしれないが、これからサーバーを立ち上げようと考えている方に参考になればと思い、思いつくまま書いてみた。 同一環境であってもなくても、何かの参考になるなら嬉しい。


投稿日 : July 7, 2004

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